非モテども、悲しみの愛を見せろ
- 作者: 福満しげゆき
- 出版社/メーカー: 青林工藝舎
- 発売日: 2005/09/25
- メディア: コミック
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先日、あかねでid:junkMAさんが「鬱になるのでもう読めません」的なことを言っていたので安く譲ってもらったんだけど、確かに [共感した][これはヤバイ][お前は俺か][この道はいつか来た道] のようなタグを10個くらい付け、熱い自分語りコメントを残したうえではてな☆スターを100個くらい付けてあげたくなるような、凄まじい非モテ系鬱マンガ。
おススメのシーンは、「全部」。「頭悪くて普通科の高校に行けず、定時制や通信制高校でした。つーか、むしろ中卒?」とか、「学校でひとりも友達できませんでした」とか、「25歳童貞です」とか、そういった「だめ度」や「非モテマインド」が高い人間ほど、この作品を楽しみ、共感し、自らの過去を思い出しては悶絶することができるでしょう。
特にネットで非モテ論なんて読んでるそこのあなたなんかは、100%以上のシンクロ率*1で共感できるシーンが必ずあると思うので、絶対に読みましょう。そしてネット上で、自らの鬱屈と劣等感にまみれた駄目人生を、その負の感情を共有する仲間同士で語り合いましょう。非モテども、悲しみの愛を見せろ!!*2ってなもんですよ。
彼女とかできて「普通」に生きている同世代に対する劣等感とか、それを漫画描いて「俺はお前等とは違うんだ」的なアイデンティティを持って埋めようとする心理とか*3、10代〜20代前半、脱オタ以前の若き日の暗黒時代の自分の気持ちをここまで赤裸々に代弁してくれた作品を、僕は他に知りません。
なんか衝撃的すぎて、内容について語れば語るほど、この作品が持つ(黒い)輝きが失われてしまうような気がするのであんまり書きませんが、印象に残ったシーンをひとつだけ挙げると……中盤の主人公が24歳にして初めて女の子に告白してフラれ、その後あまりの寂しさから、たいして親しくもない周囲の人間や昔の同級生*4にストーカーばりのしつこさで悩み相談電話かけまくったり飲み会に誘いまくっては、目の前で大泣きしてうざがれらたりするシーンですかね。で、ただでさえ数少ない人間関係が、ますます悪化していく悪循環、と。
24歳の脱オタ期に僕も全く同じことしてたので、このシーンは本当に胸を締め付けられ、ベッドの上で悶絶させられました。いやホント、寂しさや劣等感が限界超えると、ふとしたことでなんか知らないけど日常的に涙が出てくるんですよ*5。
あと、あとがきで作者の福満しげゆき先生が
わかったのは*6「死にたい」だの「生きているのがイヤだ」等と思うのはただの性格の問題で、そういうタイプの人は何があっても、だいたいずっと、そーいう性格のまま生きていくのです。
と書いているんだけど、これは凄く共感できる。結局人間、何が起きても「根」の部分は変わらないんですよ。こういう本当の意味で「性根が腐った」人間は、人生とどう折り合いをつければ良いのかっていうと、まぁ難しいねとしか言えない感じですよねorz