イジメの構造――アノミーとは何か？

http://d.hatena.ne.jp/castle/20050410#p5

人の個人内の常識は、経験によって学習される。両者の間に上下が形成され、上の立場から放った命令が下の者に実践され、特にトラブルなく済んでしまえば、「ここまでの命令なら問題なし」と心理的に学習されてしまう。その結果、自分が加えた暴力の範囲までを獲得した権利として「自分の命令権」を確信するのだ。そして命令権を確信した人間は、下の者が自分の要求に反抗したとき、これを自分が今まで積み上げ獲得してきた命令権を犯されたように感じて、制裁に出る。

私がこの記事のコメントで書いたことと同じ着眼点。

今の世の中、ありえない平等を前提とした、「勝てば官軍」・「敗北は自己責任」の論理が強すぎると思うんですよ。この論調が強くなりすぎると、「勝てば何をやっても許される」という特権意識を勝ち組が持つようになり、世の中はどんどん一握りの強者に都合がいい世界になっていきます。

強者の暴走をどこまで許容すべきなのかという問題。そして、強者にとっては暴走が「当然の権利」であるように感じられるという問題。ここで触れられている性の暴走も、根底には同じ病理があると思う。「ここまでなら大丈夫」が、「大丈夫で当然」になるという。