世界のはて

『はてな非モテ論壇』の一角だった場所

口では外見を過小評価し、実際には過大評価していませんか?

話題にしたいのはそこじゃないっつーの!

前回の記事への返信。

なんだか、

  • 「外見に内面は反映されるか否か」
  • 「外見以外の部分だってちゃんと見てるYO!」
  • 「外見がダメでも他で努力すればモテる」
  • 「Masaoの生い立ちはキモい」

あたりが話題の主眼になっちゃって、非常に残念。僕が前半で提示した「ファッションで他人は簡単に騙される」や「僕の生い立ち」は、その後の「外見と内面は別モノ」の説得力を上げるための論拠にすぎなくて*1、本当に言いたかったのは

いちばん重要なのは、自分が外見に振り回されていることを自覚しつつも、その心を自分の中でどう消化するか、外見以外の他者の良い部分をどのように評価するかだと思うんですね。

の部分だったんだけど、みんな前半のほうばかりに反応するんだもんなぁ。

突っ込みたいことは多々あるんですが、みなさんもうこの話題は終わりにしたがってるようだから、今回TBしていただいた個別の記事にさらに絡むのは、もうやめます。まぁpippiさんしてみれば、「スターウォーズ」観に映画館行ったら、いきなり「バス174*2上映されたようなもんだろうし。ただ、ちょっとコレだけは言っておきたいので、TBしていただいた方々ではなく、このブログを読んでいる読者全員に向けて、記事を書いておきます。

外見からわかることもある

みなさんが言っている、「外見には内面がにじみ出ている」というのは、TBしてくださったrnaさんの記事にある

http://d.hatena.ne.jp/rna/20050822#p1
ファッションチェックはファッションセンスを通じて内面(人格)を評価しようということではなくて、最低限外見に気を遣っているかどうか、もっと言えば他人の視線を意識して行動しているかどうかを見ているのではないでしょうか。

というようなことだと思います。僕は、この記事に書いてあることは一般論として完全に正しいと思っていて、「その人が他人からどう見られたいのか?(モテたいのか?)」「世間的価値観との距離のとり方」あたりを判断する程度には、ファッションは利用できると思ってます。僕も利用させてもらってますし、処世術としてこういったことを意識することは、非常に重要です。

「騙す」っていう言葉が強烈すぎたのか、みなさんに誤解を与えたみたいで、ここは失敗したな〜と思ったんですけど、僕は外見で他人を判断するな!なんていうつもりは毛頭ないんですよ。モテたいのであれば、ここらへんまで計算し尽したうえで、モテる努力が必要です。モテたいのに努力しないなんてのは、僕からも見てもアホですよ。

外見からわかるのは、「人格」じゃなくて「スペック」と「テクニック」

ただ、ここで勘違いしちゃいけないのは、ファッション等の(先天的・後天的問わず)外見から分かることは、あくまで「社会」「恋愛」という「ゲーム」で上手く立ち回っていくための「スペック」や「テクニック」であって、「人格」ではないということです。僕が前回の記事で「内面」と言ったのは、あくまで「人格」のことであって、「スペック」ではないんですよ。はてブでotsuneさんが指摘されているとおり、「内面」の定義が僕と他の皆さんで違うわけです。

さらに言えば、みなさんが恋愛において最も重要だとおっしゃる「話し方」「目つき」「雰囲気」なんてのは、人格を変えなくても「テクニック」で誤魔化すこともできるんですよ。ホストなんか、まさにそういう「テクニック」を身につけた人達ですよね。で、こういうモノは長く付き合っていくうちに化けの皮が剥がされていくわけです。付き合っていくうちに、「人格」が暴かれていくわけです。「人格」は、実際に長く・親密に付き合ってみないと、本当のところは絶対にわからないんですよ。
結局、みなさんがいう「内面」っていうのは、「テクニック」を身につける気があるか否かという「社会性」であって、それは社会を生きるための「処世術」であって、それはとても大切なことだけど、でもやっぱり「人格」じゃないよね。*3

でもみなさん、非モテ男女は人格も劣っているって判断しがちでしょ?

で、僕が「なんだかなぁ」と思うのは、外見から推測できるのは、せいぜい「恋愛」「社会」というゲームの腕前であって、それ以上でも以下でもないのに、ちょっとみんな、外見を「人格」に結び付けて考えすぎじゃない?ってことなんですよ。
例えば「35歳童貞・処女」に対して普通の人が持つイメージっていうのは、やっぱりもの凄く暗いものがあるし、人によっては「キモい」「あり得ない」とか平気で言う。この過剰な「落ちこぼれ感」は、いくらなんでも異常だと思います。そういう「恋愛できないようなヤツはクソだ」みたいな風潮が、非モテを必要以上に苦しめているんです。非モテへの「恋愛強制圧力」や「ラブハラスメント」として働くんです。こういった「思い込み」「ステロタイプ」に対して、僕としては抵抗していきたいんですよ。

口では外見を過小評価し、実際には過大評価していませんか?

TBをくれた皆さんは、「外見と内面が100%結びついているとは思わない」ってみんな書いていて、それにウソはないんだと思います。でも、実際にちょっと外見変えたら、手のひらを返したように周囲の反応が変わった事実を経験した僕としては、世の中の人は、ちょっと過剰な「外見信仰」を持っているとしか思えないんですよ。外見から100%人格がわかるとは思っていないだろうけど、60%くらいはわかると思っているんじゃないか?しつこいようだけど、僕は前回の記事で、

いちばん重要なのは、自分が外見に振り回されていることを自覚しつつも、その心を自分の中でどう消化するか、外見以外の他者の良い部分をどのように評価するかだと思うんですね。

と書いて、これが一番言いたかった部分だったんですよ。「カオが悪くても他で補えるよ」とかそういうことばっか書いてるけど*4、でも他がダメてもカオが抜群によければ、ついついそっち選ぶでしょ?ってことです。口では外見を過小評価して、実際には外見を過大評価してるんじゃない?ってことです。これが、僕の言う「モテ側の欺瞞」の意味です。以前「カオはココロより重い」という記事を書いたとき、このようなコメントをくれた女性がいました。

http://a-pure-heart.cocolog-nifty.com/log/2005/05/post_db8f.html#c3100233
自分自身「男は中身よ」なんて言いながら、友人には「自分よりランク低い男は連れてこないね」と言われたり…「偶然よ」と返しましたが、外見で選んでいるのでしょうね。少なくとも、【外見で選んでから、その中の相性(中身)が自分と合う人】を、探しているのだと思います。

今までは、出来た人間ぶって(私の中で、人を顔で選ぶ人間は、悪というイメージがあったのです)「中身が一番大事」なんて、声高に言っていましたが、こちらを拝読して、素直に自分が人を外見で選んでいるという事を認められました。ありがとうございました。

みんな、恋愛において外見から推測される印象を過剰に信仰しすぎている。そして、その自覚がなさすぎる。僕が言いたいにのはそういうことなんですよ。みんな、そんなに自分には他人を見る目があると思っているのかなぁ?

追記

たとえば「Aerodynamik - 航空力学」のaerodynamikさんは、それまで全然モテなかったのに受験前にだけ突然モテモテになったことについて、

http://d.hatena.ne.jp/aerodynamik/20050713#p4
あの一年が人生で唯一のモテ期だった。何人にも告白された。
だけど、みんな自分のことを好きじゃなかった。自分の成績だけが好きだったのだ。
そのあからさまな事実に、自分はますます内向的になっていった。音楽と本以外、なにも信じなくなった。
そして僕は男子校へ進学した。

そんな青春時代。

と書かれていますが、僕もこれに近い気持ちを味わったわけです。外見変えただけで、こんなに僕という人間への評価が変わるってのは、なんなのかなぁ、と。みんな、外見に振り回されすぎだぜ、と。で、これだけ言ってもやっぱり外見の決定的パワーをみなさん認めないでしょうから、もう開き直って僕のカオ写真を晒すことにしましたよ、えぇ。
http://a-pure-heart.cocolog-nifty.com/log/files/Masao.jpg

追記2

書いた後で思ったんだけど、そもそもここで想定したような「口では外見を過小評価し、実際には過大評価している」女性っていうのは、はてなをやっていない層に多い気がしてきた。pippiさんにしろIvanさんにしろ、いわゆる「典型的F1層」とは趣きが異なっている印象をうけるし。僕としては、「イケメン大好き合コン大好き典型的F1層」にこそ、こういう記事を読んで欲しいんだけどなぁ。例えばこの方とか。(http://riri133.exblog.jp/

追記3 2005.09/03 09:30

「男性も女性を外見で判断している」という部分を無視しているのではないかという指摘をこちらで受けましたが、僕はこの記事で「モテ/非モテ」に男女の区別をしたつもりはありません。「男女共に」「口では外見を過小評価し、実際には過大評価していませんか?」と言いたいわけです。
今回の論争相手のメイン、pippiさんが女性であったため、女性に向かって言っていると思われたようですので、誤解されそうな部分を修正しました。


*1:だって非モテがあんなこと書いても、「非モテの被害妄想」で終わりだしさ。

*2:ブラジルのドキュメンタリー映画ストリートチルドレンの置かれた劣悪で過酷な現実が、これでもかというくらい克明に描かれている。小錦の100倍くらい重い。

*3:ついでに言っておくと、僕は「スペック」「テクニック」でパートナーを選ぶことも、否定しません。誰だって(僕だって)どうせ付き合うならより社会的に有利になる相手と付き合いたいですし、特に女性の場合、結婚相手の選択は、人生において非常に大きなウェイトを占めますから。

*4:で、僕が話題にしたいのはそういうことじゃなかったんだけど