世界のはて

『はてな非モテ論壇』の一角だった場所

モテとは、確率論である

・「所詮、女は顔で男を選ぶんだよ!」と言っている男の子は、まず自分の父ちゃんの顔をよく見るべき
http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20061016#1160959436


・10月16日のエントリ「『所詮、女は顔で男を選ぶんだよ!』と言っている男の子は、まず自分の父ちゃんの顔をよく見るべき」についてタネ明かし
http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20061018#1161139331

この文章のおかしな点は、たった1回の「結婚」という事例をもって、「『所詮、女(男)は顔で男(女)を選ぶんだよ!』と言っている男(女)の子」*1の言いぶんを否定しているところだよなぁ。

そりゃあ「最終的に」結婚相手として選ばれたのは、その(ブサイクな)父ちゃん母ちゃんだったかもしれないけどさ。「異性が顔で選ばれているか否か」を判定する際に、それまでの恋愛遍歴の紆余曲折は、考慮しなくていいのかね?

試しにブサイク両親とイケ面両親を分け、「あなたが付き合ってきた異性の数を教えてください」って聞いてみるといいよ。ブサイク両親群とイケ面両親群の間では、有意な統計的差異が確認できるハズだから。

http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20061018#1161139331

  • いつの時代でも、男性も女性も、醜いものよりは美しいものが好まれる。それは、歴史をひもとけばすぐわかることだ。
  • けれども、美しいものだけが恋愛や結婚の相手を得ているわけではない。それは、現実にパートナーを得ている人(それこそ、自分の両親など*2)を観察すればすぐわかることだ。

っていうのは確かに正しいんだけど、それで「異性を顔で選んでいない」ということにはならない。「顔」が確かに異性を選ぶ際のファクターのひとつである(男性も女性も、醜いものよりは美しいものが好まれる)以上、確率的にイケ面は「選ばれやすく」なり、キモ面は「選ばれにくく」なる。

もちろん選ばれやすい固体は「環境」や「時代」、「好み等個人の主観」などで変わるけど、「より多くの人間に好まれ易い」属性を持った個体が確率的に「選ばれやすく」なることには変わりがない。嗚呼、恋愛市場主義

モテっていうのは「ゼロイチ」ではなく「確率論」なんですよ。ここらへんの差異を考慮せず、最終結*2だけを「ゼロかイチか」で見て、「ほーら、みんな異性を顔でなんか選んでいないじゃない」っていうのは、魚釣りに行って、「1日に100匹釣り上げた人」と、「1週間かかってやっと1匹釣り上げられた人」を、「魚が釣れた」という1点にのみ着目して同列に扱うような、酷い強引さを感じるなぁ。

【まとめ】

  • 「美しいものだけが恋愛や結婚の相手を得ているわけではない」というのは、その通りです。
  • しかしそれは、「異性を顔で選んでいない」ということにはなりません。
  • モテは常に、「ゼロイチ」ではなく「確率論」で語られるべきです。

*1:()が付いているのは、最初の記事には脚注で「性別を逆にしても、同じことが言えます。」と書いてあるから。

*2:結婚できたか/できなかったか。