世界のはて

『はてな非モテ論壇』の一角だった場所

「オタク第2世代向け世代感共有モノ」が最近多いような気がする話とか、「第3世代向け世代感共有モノ」予想とか

前回の記事でレビューした「連射王」や「東京トイボックス*1」は、現在30歳付近の年齢のオタク第2世代作家が自分の体験をベースにして同世代向けに描いている、「オタク第2世代*2向け世代感共有モノ」とでも定義できるんじゃないかしら、と言ってみるテスト。

ここらへん読んでると、第2世代後半オタクである僕自身(1977年生まれ)が歩んできた青春時代の感覚を、そのまま作品に持ち込んでいるような感触を受けるんだよなぁ。

「連射王」は90年代前半〜中盤のゲーセンシーンが元ネタだし、「東京トイボックス」からは、90年代後半にゲーム業界を席巻した「クリエイターブーム*3」の影響を色濃く感じるし(特に『大』)。僕はこのふたつともリアルタイムに体験したので、このへんの作品には少し照れくさい感情を抱きつつも、思いっきり感情移入できるんですけどね。

ゲーセンやゲーム業界が、「オタク第2世代的視線」から同世代向けに描かれることって、僕が知る限りではこれまであんまりなかった気がする。「げんしけん」は、リアルタイムでオタクやってる人向けに作者がメタ視点から描いている感じだし、「ヨイコノミライ」や「大同人物語」は、視線が第1世代っぽい感じだし(訂正:「大同人物語」の平野耕太氏は、1973年生まれで第2世代とのことです)。

これは、オタク第2世代の作家が権限を持つ年齢になって、好きな作品を作れるようになってきたからだと思うんだけど、どうですかね?

もし「作家が世代交代するたびに、かつてのオタク界隈での流行体験をベースにした、これまでにないタイプのニッチ作品が登場する」という法則があるとしたら、「オタク第3世代向け世代感共有モノ」にはどんなテーマが選ばれるんだろ?個人的には「コスプレ界隈を舞台にした青春モノ」が大本命で来ると、勝手に予想しときます。


【追記 2007.04/13 23:00】
そういえば、「大東京トイボックス」1巻の帯には、「すべての、テレビゲーム好きだった人にオススメします」と書かれている。ここらへんも、「現役オタ」よりも既にほとんどが引退済の「第2世代オタ」向けな感じがするんだよなぁ。


大東京トイボックス(1) (バーズコミックス)

大東京トイボックス(1) (バーズコミックス)

*1:「大」含む。

*2:東浩紀氏が言うところの。

*3:今となっては『ネタ』『恥部』として語られることの多いけど。飯野賢治とか、飯田和敏とか懐かしいなぁ。僕はこの頃まんまと影響されて、ゲー専通って「ゲーム批評」毎月買ったりしてましたよ。