世界のはて

『はてな非モテ論壇』の一角だった場所

「ライフスタイルの表現」は、「脱オタファッション」の射程外

脱オタファッションの目標は、「お洒落」になることではない

・30代からの脱オタク - 脱オタクファッションの限界
http://d.hatena.ne.jp/k-d-hide/20070716/1184521331
何と言うか「リアル感」というか・・・。
つまりは、ソレを「着る」んじゃなくて「着こなす」。
いや、着こなしの知識はある。
そうじゃなくて・・・知識とかじゃなく・・・。
何と言うか・・・「感覚的に着こなす」「自然に着こなす」・・・。
つまり「知識」としての着こなしじゃなくて「ライフスタイル」としての着こなし・・・。
上手いこと言えないけど、そんな感じだ。

↑の記事を読んで、普段僕がファッションや脱オタについてなんとなく考えていることについて書きたくなったので、少々。

まず、「脱オタファッション」というものは、「世間への適応」を第一に考えたファッションです。だから、「無印良品」「A.P.C」「丸井」といった、無難なアイテムが推奨される。これらのアイテムはあくまで「日常着」であって、特定の「ライフスタイル」を表現するためのファッションではないんですよ。

だから、id:k-d-hideさんがファッションにおける「ライフスタイル」について考えたとき、脱オタファッションの限界を感じるのは、むしろ当然のことだと思います。「ライフスタイルの表現」は、脱オタファッションの射程の外です。

……というよりむしろ、「脱オタファッション」と「ライフスタイルの表現」は、反対のベクトルを向いていると言ったほうが良いかも知れません。ジャンルにもよりますが、「ライフスタイルの表現」は突き詰めれば突き詰めるほど、世間的には現実離れした「おかしな」ファッションになりがちなので*1

そういういう意味で、id:k-d-hideさんも感じているように、「オタクというライフスタイルの表現」を辞めることが「脱オタファッション」だということもできます。「脱オタファッションの目標は、『お洒落』になることではない」とよく言われますが、それはこういうことです。

id:k-d-hideさんが「ライフスタイルの表現」をファッションに求めるのであれば、脱オタファッション的な「適応」を重視した考え方は、一旦隅に置いておいたほうが良いかも知れません。

【以下、僕の個人的なファッション観をつらつらと】

個人的には、「ライフスタイルの表現」というものは、「お洒落」の1つの形式でしかないと思っています。「誰がなんと思おうとそれでもやる!」という気合を求められるのが、「ライフスタイル」を中心に置いたファッションなのではないかと。

外見よりも、思想重視。だから、「ライフスタイルの表現」がイコール「見た目的にカッコ良い」となるとは限らない。その「思想」に共鳴してくれる仲間だけが、カッコ良いと言ってくれるファッションです。

でも、「外見的にカッコ良い」ことだけを目指すのであれば、「ライフスタイルの表現」なんていらないんですよね。そういう人にとって、「ライフスタイル」はあくまで「あるとなんだか箔がつく」程度のアクセサリー的なものになる。

もちろん「外見」よりも「ライフスタイルの表現」を重視することを「お洒落」だと感じる人も居るでしょうし、ここらへんは人によってブレンド量を調整するのがファッションの楽しみのひとつではないかな、などと思ってます。ちなみに僕は、あんまり「ライフスタイル」は重視していませんね。「着たいモノを着る」がモットーなんで(笑)*2

あと、これはなんとなく思ってることなんですけど、女性よりも男性のほうが、ファッションに「ライフスタイル」を強く求められるような気はしています。たぶん、「ファッションを楽しむこと」そのものが文化として肯定されてきた女性に比べ、男性はそういったことが「男らしくない」ことだととされてきたため、「言い訳」が必要とされたからじゃないかと思っているのですが。

ここらへんは、id:elasticdaleさんの↓の記事が参考になるかも知れません。

・Elastic: ファッションの脱オタが面白くないのは
http://taf5686.269g.net/article/4462682.html
メンズは自由度が低いのが辛いですね。レディスは多様性が売りなのでミーハーにファッションを楽しんでもおしゃれになれるけど(その分、流行り廃りが激しいので大変)、メンズは深さが売りなので勉強しないとおしゃれになれないという。いや、なれないというよりは、おしゃれと認めてもらえないというか。サロンボーイがいい例ですね。おしゃれに見えるかもしれないけど、型破りだったり、ブランドに対する理解がないので、なかなかおしゃれだとは認めてもらえないという。

「うんちく」やら「ライフスタイル」やらを求められ、単純な「見た目」や「センス」だけでファッションを楽しめない男性ファッションってのも、なんだかなぁと僕なんかはたまに思いますけど、まぁレディスとはファッションの楽しみ方が違うってことでしょう。メンズにはメンズで、特有の楽しみ方がありますしね。

*1:ゴスロリやガングロ等は、その代表。まぁ必ずしも現実離れしていくわけでもなく、「ライフスタイル」にも「現実志向」と「フィクション志向」があって、そういうのとファッションの実用性との相関とかを分類していくと面白いことになると思うんだけど、誰か大学の卒論とかでやってくれないかな。

*2:id:k-d-hideさんは僕とは反対に、「ライフスタイル」や「思想」を重視したい人のようですね。