世界のはて

『はてな非モテ論壇』の一角だった場所

俺のその欲望は、俺が生まれながらに持っていたものなのか、それとも社会規範を内面化して作り上げられたものなのか

ワインには、チーズが合う(らしい)

僕はチーズ鯛が大好きで、家で酒を飲む場合は大抵チーズ鯛を食べるんだけど、コレを食べているとなぜかワインを飲みたくなってくる。いま、たまたま手元のワインを切らしてしまっているため、仕方なくワインの換わりに発泡酒を飲んでいるんだけど、やっぱりワインでないと物足りない感じがする。

これはひょっとしてアレか。チーズはワインに合うという常識というか規範というか、そういうものを僕が内面化しているため、それが味覚という身体領域にまで影響を及ぼしているということなのか。

男の子は、女の子に性的興奮を覚える(らしい)

考えてみれば、これと同じようなことって性癖でもある。

僕はオナニーを始めたのが3歳からと、性的にもの凄く早熟な人なんだけど、当時僕がおかずに使っていたのは、「宇宙刑事モノで主人公が攻撃されて苦しんでいるシーン」だった*1。パートナーの女刑事じゃなくて、主人公の男のほうね。女刑事には、まったく性的興奮を覚えなかった。

当時の僕にとって、セクシュアリティの対象として「性別」はあまり重要ではなく、「攻撃されて苦しんでいる」という要素のほうが重要だったわけだ。

そして僕のこの性癖は、人生のかなり長い期間に渡って続いた。「キン肉マン」ではキン肉スグルが敵の超人に悪戦苦闘するシーンで抜き、「ドラゴンボール」では孫悟空がピッコロ大魔王にボコボコにされるシーンで抜いた。

思春期に入り、ようやく性に目覚め始めたらしい周囲の同級生たちは、「『電影少女』はエロすぎる」とか「『バスタード!』のヨーコさん、超抜けるよな」とかいう話をしていたけれど、僕はむしろ主人公のダーク・シュナイダーがアーシェス・ネイにボコられるシーンのほうが抜けると思っていた。

こんな感じで思春期に入っても、やっぱり女の子にはそれほど性的興味は沸かなかった僕なわけだけれど、周囲がみんな女の子に性的興奮を覚えている様を見ていると、やっぱり自分の性癖はおかしいんじゃないかという気がしてくる。

だからまぁ、練習するわけですよ。女の子を見て興奮できるように。女の子を見て勃起できるように。「てんで性悪キューピット」を読みながら僕的「抜きどころ」である「孫悟空VS天津飯」を思い浮かべながらオナニーしてみたりして。

そしたら不思議なモンで、慣れなのかなんなのか、だんだん女の子でも興奮できるようになってきた。で、それに伴って「苦しんでいる男」はなぜか自然と性的対象から外れてきた。今となっては、当時あれほど興奮した「孫御供VSマジュニア」なんて、ピクリとも反応しません。ホント、不思議なんですけど。

これってひょっとして「男は女に性的興奮を覚える」という社会規範に、僕が無理やり内面を合わせた結果なんじゃないかなぁ?で、それがいつの間にか身体的レベルまで強化されたってことなんじゃないかなぁ。最初に書いた、「チーズはワインに合う」っていう思い込みと同じ話でさ。

とまぁこんな感じで、人間の嗜好ってヤツは、どこまでが自分の「本来の」嗜好でどこからが社会的に作られたものなのか、全然わからんよね、というお話でした。セクシュアリティすらもね。

超露骨なエロトークなのは、酒呑みながらエントリ書いてることと、僕がオヤジだからです。許してちょんまげw

*1:シャイダーが「ふなぁッ!」と呻き声をあげるのが最高に興奮した。