世界のはて

『はてな非モテ論壇』の一角だった場所

スクールカーストを取り上げる意味(1)

スクールカースト下層に近づくことの危険性】

【hopeless world:カースト最下層の宿命】
http://d.hatena.ne.jp/bluede/20050720/1121881456
カースト最下層で虐げられることにしか価値の無いモノが人を好きになればその大事な人をも危険に巻き込んでしまう…、と考えてばかりいましたね。そしてその危険から守る力もないだけに告白も出来ず、さらに無力感に苛まれ、自信過小・鬱になる→さらにいじめられる→カースト最下層として、状況がますます悪化→「当たり前の幸せ」からさらに遠ざかる(告白出来ず)→…、の悪循環に嵌ってしまう、と。

この辺の「スクールカースト下層に近づくことの不利益問題」については、ポールグラハムの「オタクが人気者になれない理由」にも書かれてたので、参考までに引用。

http://www.blog.net/nerds-jp.htm
もしいじめがあるとすれば、それが活発なほど、人気バランスの半数は苦痛を避けられる。人気のない子を遠ざけるとポイントが加算されるのと同様に、近づけばポイントを失う。ぼくの知り合いの女性の話だが、彼女が高校の時、オタクたちが好きだったけれど、彼らと話をしているところを見られるのは怖かったそうだ。他の女の子たちにバカにされるからだ。嫌われ者は伝染病だ。オタクをいじめるほど悪くない子も、自分を守るために、彼らを村八分にする。

スクールカーストは構造的な問題である】

http://d.hatena.ne.jp/Masao_hate/comment?date=20050721#c
Masao:僕はこの、下層の人間をスケープゴートに利用して「身内感」「結束感」「優越感」等を高めようとする「集団心理の構造」自体を問題視しています。<中略>スクールカースト被害の発生は、そこに参加する者全員が生み出す「空気」の問題だと考えておりますので。

シロクマ:カースト下位者にとってどうかはともかくとして、その時点で非下位者が差別的・選別的な取り扱いを行うのは、彼らにとって合理的な選択なのでしょうね。<中略>誰も書けないから書かないのかもしれませんが、カースト下位者で無い者は、必要なら差別に参加する事が適応上、重要なのではないでしょうか。

スクールカーストは構造的なものだから、個人でどうこうするのは非常に難しい。っていうか無理だ。シロクマさんが言うように、スクールカースト構造に従うことが、学校ひいては世間における処世術として、正しいことだとすら言っていいのかも知れない。

ただこの言葉が広まって、この問題について語りやすくなることは、現役でスクールカーストに苦しめられている人間にとっては、意味があることなんじゃないかと。スクールカーストの構造自体は、人類が生存する限り存在し続けるかも知れないけれど、この概念が話題になることによって、なんらかの対策や救いを見出す現役中高生の「個人」も現れてくるだろうし*1。僕は、そういう「個人」が少しでも多く出てくればいいなと考えて、スクールカーストに関してはお節介おばさん的にやってます。つまり、

【ats2の日記:単語化の意味(ツンデレを例に)】
http://d.hatena.ne.jp/ats2/20050727#p1
ツンデレ」のことを話していた人は、みんながぼんやりと持っていたものが一つの言葉になることが大事なのだ、ということを言っていたけど、この単語を見て思い出したのはそのことだった。確かに、言葉になると扱いやすさが全然違う。

ってこと。かつての自分と同じような生き辛さを味わう人間が少しでも減らせればな、と。動機のひとつとして、僕の学校へのルサンチマンがあることは否定できないし、過去系だと言われりゃその通りですけどさ。

【犬惑星:未来派/過去系】
http://d.hatena.ne.jp/dogplanet/20050727/p1
未来を信じられない者は過去を志向する……いや、嗜好すると言った方が正しい。過去ログに対してコメントをくれた「非モテ」や「地域格差に悩む人々」の過去に対する執着が一角ならぬところからもそれは感じる。だから普通に今現在、抑圧を受けていない未来志向の人間にとっては「なんで社会人になってまでスクールカーストとか持ち出してくるの?」という違和感になる。

その2につづきます

*1:だからできれば、現役中高生にもこの問題を語ったり考えたりして欲しい。生々しすぎて辛いとは思うけど。