世界のはて

『はてな非モテ論壇』の一角だった場所

1999年夏の思い出

今からちょうど9年前。1999年夏。僕が21歳のときのお話。

この年は就職氷河期真っ只中で、大卒の就職率が60%台とか報道されていて。でも今みたいに非正規雇用の増加や格差社会が社会問題として顕在化しておらず、この不況も一時的なもので、日本はまだまだ経済的に豊かな国だと誰もが信じて疑わなかった、いやむしろ、今の日本が不況だとすら世間には認識されていなかった、そんな時代。

当時の僕はゲームプログラムの専門学校に通っていて、次の春には卒業予定で。でもゲームメーカーは新卒採用してるのは大手くらい。中小零細は「人手が足りなくなったら採る」形式の通年募集が当たり前*1。僕は元々大手は無理だと諦めていたので、会社訪問とかしないで作品作りに没頭していたんですよ。最悪、フリーターになって作品作りつつ、中小のゲームメーカー周ればいいかな、なんて思いつつ。

それに自分の周りを見てみると、同世代の半分くらいがフリーターをやっていた。そういう同世代を見て、まぁなんとかなるべぇと。

そんな時代背景の中、当時のゲーセン仲間B(当時大学3年生)と、終電逃すまでゲーセンで遊んだあと、始発待ちの深夜のファミレスで何気なしに交わした、今でも記憶に残っている印象的な会話がある。

  • :就職就職って言うけどさ。うちらの周り、なんだかフリーターとか多くない?*2ああいうの見てると、別に就職しなくても、なんとかやってけるんじゃないかって気がする。一生フリーターとかでも。
  • B:まぁ多いけど。結婚とか考えたら、普通に就職しないと無理っしょ、やっぱり。
  • :でもさ、今って大卒でも60%くらいしか就職してないって言うじゃん?高卒なんて、もっと低いんじゃないの?うちらの世代の半分の人間がフリーターになるとして、そんな大多数のフリーターを国が放っておくと思う?何か対策打たれると思うんだよね。だからなんとかなるんじゃね?
  • B:はは、そうかも。そう思うなら、そうやって生きるのもいいんじゃねw


9年後……

    • −−:爆発する?
    • 勝間:今30代の非正規雇用者ってものすごい多いですから。それが40代、50代になったときに職がなくなって、家族がいなくって、どうやって暮らすんですか、っていう。
    • 西原:どうなっちゃうんだろうな。
    • 勝間:ものすごい負債、隠れ負債だと。でも、だれも怖いからそこをちゃんとケアしないわけですよ。


なんとかならなかった!ロスジェネ オワタ!\(^o^)/*3

*1:これは別に氷河期だったからってわけではなく、ゲーム業界は昔からそう。

*2:ゲーセン常連には、特にフリーターやニートが多い。

*3:まぁ、最初から国を当てにしてフリーライダーする気満々の、当時の俺も俺だ、とは思う。