世界のはて

『はてな非モテ論壇』の一角だった場所

なぜオタは、自分やその同族をメタ視しては、勝手に自己嫌悪に陥りますか?

狐の王国 - ハルヒダンスに見る二種類のオタク

上に挙げた記事と、そのブクマコメを見て。

非常に悪い意味で「オタク界隈的」な光景が繰り広げられていると感じた。ハルヒダンスを踊っている連中じゃなくて、2chやらはてぶやらで、このダンスは外向的か内向的かとかってメタ話をしている連中のほうに。
ハルヒダンスそのものよりも、この「同族をメタ視せずにはいられない自意識過剰さ」や「自己卑下の激しさ」こそが、非常に嫌な意味で「オタク界隈的」だと感じる。正直言って、キモい。

僕はオタク文化は基本的に好きなんだけど、この文化が唯一キモいと感じる点は、文化をベタに楽しまず、メタ視してギャーギャー言い合い、しかもそのうえ勝手に同属嫌悪や自己嫌悪に陥る連中が多すぎるところですよ。なんでそこで自己嫌悪する?そんなに自分の所属する文化に自信がないの?とか思いますよ、えぇ。

確かにハルヒダンスは「『外向』ではなくて『内側の肥大』」だと僕も思う。でも、そもそも大きなくくりで言えば、世の中のありとあらゆる「文化」と名が付くものは、「内側の肥大」でしかあり得ないんじゃないか?自分の内側から沸きあがってくるものが表出されるものが「文化」であり、それに共鳴する人間が一定の割合で現れたとき、それが「文化圏」として認知されるってことなんじゃないの?そうやって「文化」は歩んでいくもんなんじゃないの?

他の文化圏で、「外向か内向か」なんてことをいちいち気にする自意識過剰な連中が、そんなにたくさんいるとは思えない。文化なんて、内向的だろうと外向的だろうと、そもそも自分達が楽しめることが第一じゃね?

たとえば一時期ギャルの間でパラパラが流行ってたよね?僕はアレもハルヒダンスと同じ文脈で「内側の肥大」だと思うんだけど、アレを見て「いやあれは『外向』ではなくて『内側の肥大』でしかないでしょう」とか自虐的に言い出す連中がいたか?
いや、一部社会学者系の方々はいろいろ騒いでたけど*1、ギャル文化圏に所属する本人達が自分等のやってることをメタ視して、「肥大した私の自我がキモい」とか言ってたとはあんまり思えんのですよ。世間の評価は置いておいて、彼女等自身は、ベタに自分達の文化を楽しんでいるだけのように見えた。少なくとも僕の眼には。

なぜオタは、自分やその同族をメタ視しては、勝手に自己嫌悪に陥りますか?

僕はこういう自分の中の「好き」を素直に表出するイベントはとても好きだし、今後もどんどんやって欲しいと思う。オタクはもっとガンガンハルヒダンスを踊りまくり、肥大した内面をベタに外部に表出させるべきだ。

オタクには、ベタが足りなすぎる。あまりにも。



【追記 2007.04/28 PM.15:30】
僕が「メタ視」を批判していると感じた方が結構いるみたいですが、僕が主に違和感を感じているのはメタ視そのものというよりも、メタ視した結果として自己嫌悪に陥ってしまう「自己卑下」の精神です。さらに言えば、自己卑下すること自体を目標に、わざわざメタ視しているようにすら感じられるんですよ。
自分ですら嫌悪するようなことなのに、なぜその人はソレを続けているのだろう。わざわざマゾヒスト的な感覚を味わうために、自己や同族をメタ視するのはなぜだろう、という。
ここには自己卑下することで、なにかの防衛機制*2が働いているように感じられるんですね。これはたとえば「写メコン*3」のコミュニティに見られる、以下のような心理状態なのではないか、とか。

http://d.hatena.ne.jp/rAdio/20061003/kimo
「写メコン」に応募してもらう際には、アピール文というか、見てるみんな(つまり、コンテストに投票する人ですね)へのメッセージを付けて送ってもらうわけですが、ここでやたらと目立つフレーズが、「キモい」なんですね。
「キモいの承知」とか、「キモくてごめん」とか、そういうのを、当て字やギャル文字なんかで書き連ねて、送ってきはる、と。
<中略>
要するに、他人の「キモさ」に対して相当敏感になっているからこそ、「自分がキモいと思われる可能性」を気にして、先手を打って「自分は全部分かった上でやっている」と主張するんでしょうね。

こういう心理自体は、べつにオタク特有のものってわけではないんでしょうが、ここまで防衛しないとベタに楽しむことが出来ないオタク文化の現在の立ち位置の微妙さについてとか、なんかいろいろ考えてしまいますわ。サッカーやるのに、わざわざこんな心理的防衛や言い訳する必要ないもんなぁ。

*1:宮台とか、宮台とか、宮台とか。

*2:id:p_shirokumaさん風。

*3:若人がネット上で自分の写メを見せ合い、美男美女を競い合うコンテスト。