世界のはて

『はてな非モテ論壇』の一角だった場所

閉鎖空間かつコミュニケーションの重要性が高い場所で、いじめは発生する


そういや僕は偏差値 40 台前半だと思われる底辺の通信制高校を出てるんだけど、その学校ではいじめもスクールカーストも無かったなぁ。…といってもこれは「低偏差値」が理由なのではなく、週1回しか授業がなかったので、そもそもいじめが発生するほどクラスメイトとコミュニケーションをとれず、とる必要も無かったからなんだけど*1

これは、大学でいじめやスクールカーストがほとんど問題にならないのと同じ理由。いじめ発生率の大小は、偏差値よりも、こっちの環境面のほうが大きいんじゃなかろうか。

結論からいえば、いじめを無くすためには、クラスメイトとコミュニケーションを取れなくすれば良いんですよ、極端な話。閉鎖空間かつコミュニケーションの重要性が高い場所で、いじめは発生するので。

たとえば主婦の近所付き合いの世界では、陰湿ないじめが起きやすいとよく言われるけど、これも「コミュニティの閉鎖性」と「コミュニケーションの重要性」が共に高い空間であることが理由。コミュニケーションの重要性が低かったら、そもそも無視等の「コミュニケーション操作系」のいじめって、意味を持たないし。

冒頭のリンク先では、「子供は未熟だからいじめが起こりやすい」っていう話も出ていて、それも当然あるとは思うんだけど、主婦の世界の例のように、環境次第では大人同士の関係にさえいじめは発生するわけで、環境がいじめの要因としていかに大きいかっていう話ですよ。

「高偏差値校はいじめが少ない」という話も、この「コミュニケーションの重要性」が関係しているのかも知れない。高偏差値校では低偏差値校よりも学力が重視され、相対的にコミュニケーション能力の政治的重要性が低くなる、という相関関係があるのかも*2

いじめは、コミュニケーションの暗黒面そのものなので、コミュニケーションの重要性が下がるほど、いじめの危険性も下がる。極論をいえば、お互いにコミュニケーションをまったく取らなければ、いじめは絶対に発生しない。

いじめ研究の第一人者として有名な内藤朝雄(id:izime)氏は、「いじめを無くすためにはクラス制を解体すればよい」という主張を昔からしているんだけど*3、↑のような観点から見て、これは圧倒的に正しい。ただ、学校には協調性や社会性を養う機関という側面もあるから、「いじめを無くすために、学校をコミュニケーションの重要性が低い環境にしよう」という主張はなかなか受け入れられにくいのが難しいところだと思う。

ただ今の学校は、実社会に比べてあまりにもコミュニケーションの重要性が高すぎる空間なので*4、コミュニケーションの重要性を下げ、同時にコミュニティの流動性を上げることは、もっと検討されて良い課題だと個人的には思っています*5

*1:単位はレポートで取る

*2:僕は通っていないので想像だけど。

*3:僕も昔似たようなことを書いたことがある。>http://a-pure-heart.cocolog-nifty.com/log/2005/03/post_4.html

*4:「技能」が社会的実効力を持たない空間だから、政治力が偏重される感じ。

*5:リア充=素晴らしい若者」的な若者観とか、今の若者は社会通念的にもコミュニケーションの重要性が高い文化で生きているわけだし。